高橋久美子作曲「西遊記」のこと~7/8葦の風no.7

今回、作曲の高橋久美子さんに曲を作っていただくにあたり、なにか語りと楽器演奏を併せた曲ができないかな、とご相談してみました。

では題材は?となったときに、ふと思いついたのが「西遊記」。
言わずと知れた三蔵法師孫悟空を始め、猪八戒や沙悟浄らを伴に従えて、天竺への取経の旅をするお話です。

三蔵法師のモデルとなった、玄奘三蔵の取経の旅は「大唐西域記」にあるように西暦629年から645年のことでした。

645年といえば大化の改新の始まった年。その集大成となる701年の大宝律令では「雅楽寮」という機関ができて、日本の雅楽の基礎が固められてきた時代です。

「西遊記」の玄奘三蔵の時代に唐で流れていた音楽が、日本に伝わって雅楽になっていくわけですから、「西遊記」の語りに雅楽をつけるのは、ベストマッチという気がしています。

さて、この曲では笙・篳篥・龍笛の演奏者自身が時には語り、演じながら、打物までも演奏して展開していきます。

語りは音楽を奏でるように、楽器は語るように奏されるのでは・・・と作曲者は期待されていますが、はてさてどうなることやら。

いろんな打楽器も登場します。

ご期待ください。

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