篳篥蘆舌材料となるヨシを復活させるための取組み

「雅楽だより」57号(2019年4月発行)に、篳篥の蘆舌(リード材料)となるヨシの生えるヨシ原を再生する試みについて詳しく記されていました。

←淀川流域に広がる鵜殿ヨシ原

今年のヨシは台風の影響などで品質が悪かっただけでなく、雑草に覆われて成長が妨げられ、取れる本数も少なったとのこと。これは例年の傾向でもありましたが、このままでは「篳篥用のヨシが絶えてしまう」と、河川財団や、組合、保存会、高槻市、植物の研究者の方々が1月に情報交換会を開催し、篳篥用ヨシの復活のために実行する方法を考えてくださったそうです。

その方法というのは、
①つる草などの雑草駆除のために木材チップを20cmの厚みで敷き、雑草の種に太陽の光を当たるのを遮断して雑草の生育を妨げる方法。
②つる草などの雑草に覆われた場所をヨシも含めて全部刈り取り、刈り取ったつる草やヨシを乾燥させて地面を覆い、太陽の光を遮断して種を腐らせ、つる草や雑草を退治しようとする方法。
③オギを減らすために、地表50cmほどを掘り起こしてオギの根を根絶する方法。
具体的にこうした方策を実行するのは今年が初めてです。区画を区切って実験的に行うことになるのだと思いますが、地元の方々がこうした取り組みの労をとってくださるのは本当にありがたいことです。
雅楽関係者の私たちも何か協力できることがあればと思います。
この取り組みの成果があり、雑草駆除の方法が見つかることを願っています。

下記URLで『雅楽だより』に掲載された記事を読むことができます。
http://gagaku-kyougikai.com/?page_id=324

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