ミュージックシェアリングの訪問コンサートが始まりました

今年もミュージックシェアリングの訪問コンサートが始まりました。 今年は、東大寺福祉療育病院、宮城県立西多賀支援学校、埼玉県朝霞市立朝霞第四小学校を訪問し、雅楽コンサートをさせていただきます。 10月17日(金)は、奈良の東大福祉療育病院でした。聖武天皇や光明皇后が悲田院や施薬院を建立された故事に則って設立されたという整肢院です。大仏様が出来た時にも雅楽が鳴り響いていたこの地で、子供たちに演奏させていただけるのは嬉しいことです。 ここで生活している子供たちが生の音楽を聴けるのは、奏者が訪ねて行った時だけなので、どうやったら楽しい時を一緒に過ごせるかなあと考えます。篳篥を吹き始めた途端耳に手を当てたり、体や手を動かしたり、声を出したり、じっと見つめてくれたり、皆それぞれですね。 「楽器を触ってみる?」「吹いてみる?」と車いすの子供たちの中に入っていったりもします。いっぱい息を入れて音が出る子、ぎゅっと握り締める子、「握ったままで吹いてもらっていいですか?」と付添いの方に言われて、その子の手の中にある篳篥に息を吹き込んで音を出してみます。振動を唇でなく手で感じるってのもありだなあ、と発見しました。

近よって吹いたとき、本当に嬉しそうに満面の笑みを返してくれるのは嬉しいもの。でも、何の反応も見えない子も内側で何か感じて刺激になっているなあと思うので、一人ひとりに音を届けたいと強く思います。 こうした場に行かせていただけるのも、五嶋みどりさんとミュージックシェアリングの活動のおかげ。本当に感謝しています。 帰りは、大仏様にお参りして、充実の日帰り旅行でした!

 

中村 仁美さんの写真

ミュージックシェアリングのブログにも日記が載っています。http://musicsharing.cocolog-nifty.com/blog/