ヨシ紙ヨシ筆書道 と ヨシ笛パフォーマンス

  石巻イオンで開催されている「ヨシ原写真展」関連イベントとして、笙の石川高さん、龍笛の中村香奈子さんとともに「雅楽コンサート」を行いました。(9月26日)
北上川河口に広がるヨシ原は環境庁の「残したい日本の音風景100選」にも選ばれた貴重な自然ですが、東日本大震災による地盤沈下で50%以上が水没したそうです。「写真展」はヨシ原の保護・再生をアピールするもので、かつてのヨシ原の美しい風景を季節ごとの写真で知ることができました。
  私の吹く篳篥で最も大事なのが、ヨシでできた蘆舌(リード)ですから、石巻支援三七会からお声かけにより、ヨシ原再生のお手伝いができることになったのはとても嬉しいことでした。
  演奏会の最後は、ヨシの穂の筆による「ヨシ紙書道のパフォーマンス」です。北上川のヨシの穂の筆に、雄勝硯ですった墨を含ませて、ヨシで梳いた和紙に書く、というこだわりのパフォーマンスに音をつけてほしい、とのご依頼ですから、やっぱりヨシ笛を吹かないわけにはいきませんよね? 北上川のヨシに指穴を開けて管にし、北上川のヨシをひしいで薄く削ったリードをつけて作った手作りヨシで吹きたい!と作り始めましたが、なかなか音が定まりません。篳篥で用いる鵜殿(淀川)のヨシより細い北上川のヨシを生かすために試行錯誤を重ねてこの日を迎えました。
何を吹くかも結構悩みました。 紙、筆、硯、笛と北上川にこだわったのだから、曲も地元にこだわれないかしら?
… そうだ!地元の法印神楽があった!というので、北上町の女川神楽の笛を聞きながら曲を作りました。ヨシ笛の音色は篳篥とは違って柔らかなちょっと尺八っぽい音となり、素朴なヨシの風合いが出せたように思います。竹嶋大貴さんの書に合わせて吹かせていただくひと時は二度とない大切な時間となりました。
中村 仁美さんの写真

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