♪蘆花また蘆花~ 高校で雅楽体験授業

9月25、26日は石巻好文館高校で、笙の石川高さん、龍笛の中村香奈子さんとともに雅楽の授業をさせていただきました。
石巻支援三七会による支援活動として、昨年からご協力させていただいている雅楽の授業ですが、昨年の和渕小学校、北上小学校は小学生対象だったのに対し、今回は高校1年生が対象です。
高校生に授業ってどんな感じ?とちょっとドキドキでしたが、男子も女子もとってもかわいいくて素直な反応が嬉しかったです。遠慮しながらも楽器を手にするとみんな一生懸命に音を出そうと頑張ってくれて、生き生きとしていました。
ちょっとしたコツでうまく音が出た時の顔がいいですね! 唱歌も楽譜を見ないで覚えてしまいました。若い力はちょっとしたきっかけでスーッと伸びていくのが羨ましいです。
1クラスにつき2コマとってくださいましたので、3つの管楽器のいずれかを選んで練習。くらくらしたり、口が疲れて閉まらなくなったりしながらも頑張って、最後は越天楽の冒頭を笙・篳篥・龍笛で生徒さんたちだけで合奏ができてしまったので感動しました! 朗詠「紅葉」を一緒に歌ったり、男子生徒の一人には装束を着ていただいたり、ちょっと平安時代を垣間見る時間になったでしょうか。
「合奏を聞いているとき、鳴っていないはずの低い音が聞こえたでしょう?」と合奏するときの音の重なりから生まれる差音の存在を、生徒に気づかせた音楽の先生もさすがでした。高校生たちが思ういわゆる「音楽」とは違う方向にベクトルが向いている音楽もあることに目を向けさせたいという思いで、この授業を設けてくださったんですね。
ヨシ原で有名な北上川と、ヨシをリード(蘆舌)に使う篳篥とのご縁から実現したこの授業、「♪蘆花また蘆花」と朗詠の一節を歌うと、紅葉の赤に蘆花の雪のような白さが生える景色が思い浮かびます。
千数百年もの間、神社仏閣の儀式など、祈りの場になくてはならない音楽として人を支えてきた雅楽を、こうして若い世代につないでいく機会をいただき、ありがとうございました。
 

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