ピリのリードはどうやって作るの?

【この記事は「ピリのリードはどうやって作るの?ソウルで取材」という本サイトに2013/10/03掲載した記事の再掲となります】

9月末【注:2013年9月末】に韓国のソウルへ行ってきました。
ずっとピリのリードの材料と製法を知りたいと願っていたのですが、今回、季刊誌「雅楽だより」がピリについて取材旅行をするというので、同行させていただいた次第です。


韓国の雅楽を研究されている山本華子氏にお願いし、資料を事前に見せていただいたところでは、ピリのリードの材料は「シヌデ(海蔵竹)」と呼ばれる竹だとのこと。
竹でリードが作れるだろうか?名前は竹といいつつ実は葦(ヨシ)の一種ではないの?
円筒形の竹の端をどうやって平らに潰しているのかしら? 篳篥の蘆舌(リード)のように金属のひしぎごてで先端を挟んで火の上で焙りながら平に潰すのか、あるいはアルメニアのドゥドゥクや中国の管子のようにお湯の中で温めながら、あるいは温めてから潰すのか?
削る時に使う道具はどんなもの?・・・沢山の疑問が湧き上がります。

 

リード製作者を訪問できると聞き、これで疑問が一挙解決!! と勇みこんでソウルに行ったのでした。
訪問したのは、韓国でピリのリードを作れる、数人しかいない職人さんの一人、姜民培氏。40代後半の男性で、はきはきと受け答えをしてくださいます。
詳しくは「雅楽だより」の2014年1月号に掲載されますので【注:URLを下に記しました】、ここであまりばらしてはいけないのですが…


シヌデ(海蔵竹)はやっぱり細い竹でした。こんな硬いのをどうやってリードの形に潰すの?と言いたくなるような硬いものです。なんでも、同じ海蔵竹でピリの管の部分も作るとのこと。本体とリードが同じ材料なんて、びっくりです。
その硬い竹を加工しやすく柔らかくするためには、どうすると思いますか……? 次の作業場に案内されてみると、ガススコンロの上に大きなお鍋が置いてあります。そう、茹でるのです。し
篳篥同様、節の下1.5cmあたりから8cmの長さの材を切り取ったら、それをまず数時間茹でて、乾かすのです。その後、上部3/4ほど表皮を剥ぎ取ってから潰すのですが、道具は使いません。少し熱い湯にくぐらせた後、指で(!)潰して先端を平にし、竹で挟んで固定し、篳篥で言う「セメ」の代わりに銅線を巻いて平らな形を固定し、そして……。


ここかここからの作業は、姜さんが、ここだけは絶対見せられないと強調するトップシークレット。アルメニアのドゥドゥクのリード製作でいえば、形作ったリードに最後に油を塗って火の上で焙る作業がありますが、ピリでもどうやら似たような作業があるらしく、そこが一番企業秘密にしたいようなのです……。
最終的には紙やすりで厚さを調整して出来上がりです。
詳しくは「雅楽だより」2014年1月号をお読みください。(下記サイトからダウンロードできます。)
https://musashino-gakki.com/gagakudayori/?writername=&gkeyword=%E3%83%94%E3%83%AA&sort=&search=%E6%A4%9C%E7%B4%A2%E3%81%99%E3%82%8B