携帯用 雅楽打物譜ができました


携帯用打物譜2020.5.3vers

ここにPDFで添付しました「携帯版 雅楽打物譜」は、日本雅楽会発行『雅楽打物総譜』(1964、1999改訂)に記された内容を、表記を変えて簡略にし携帯しやすいようにしたものです。画像をクリックしていただければ、8頁+目次が見られます。

『雅楽打物総譜』は現在、雅楽合奏における打物譜の基準となっていますが、その内容は山井基清著『撃物総譜』(昭和17年(1942)『雅楽撰書』第一巻)をもとにしており、戦中に発行されたこの『撃物総譜』が入手困難となっているため、東儀兼泰の監修のもと、日本雅楽会が昭和39年に新たに発行、平成11年に追加譜を加えて改訂したといいます。

山井基清氏創案によるその記譜法は、明治撰定譜を含む従来の打物譜とは異なる斬新なもので、リピート記号や打ち始めの書き込みなどにより、曲の始まりから最後まで譜面を追って行けば演奏できるという画期的な譜ですが、親切なだけにページ数が多くなってしまうきらいがありました。

ここに添付した携帯版の打物譜は、マス目で拍を明示しつつも、従来の打物譜同様、太鼓までのリズム型のみを簡潔に記すことで、情報を限られたスペース内に詰め込んであります。
慣れれば使いやすいのではないかと思いますので、どうぞご活用ください。

なお、この打物譜は元は平成4年にワープロ(オアシス)で作成したもので、『雅楽だより』41号(平成26年)に載せていただいたこともありました。今回(令和2年)の譜は同じ内容を基にエクセルで打ち直し、バージョンアップしたものとなります。
もしも間違いや分かりにくいところなどありましたら、どうぞお知らせいただけましたら幸いです。

関連記事:

「『撃物総譜』と『雅楽打物総譜』について」

「戦時下の雅楽ー昭和17年発行『雅楽』と『撃物総譜』、昭和18年の舞楽会を手掛かりに」

(中村仁美)

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