篳篥コンチェルト ブランデンブルグにて再演
小坂咲子作曲の篳篥コンチェルト「華蝶乱」を、2016年3月12日のブランデンブルグ・ビエンナーレ(於ブランデンブルグシアター)で再演しました。
2003年アジア音楽祭(於 東京芸術大学奏楽堂)での初演から久しぶりの演奏です。
「土くれだとか虫、野の草、動物の、小さいが多くの、声なき声の噴出…」を写し取ったというオーケストラの中から時々姿を現す篳篥。
緑濃いジャングルの中を歩くヒトになったような、寺の梵鐘の響きの中に同化してしまったような不思議な感覚がありました。
長いカデンツァの中に織り込まれたものをどう掬い取って吹くか、集中力だけでなく自分の生き方も試されるような。
指揮のペーター・ギュルケPeter Gulke氏が終わった後、やったねという顔でこちらを見て指揮棒で拍手。I was impressed. 西洋とは違うconsentrationがある…musicとは違う次元のものを感じたなど、暖かく共感してくださってありがたい。
ギュルケ氏が30年位前、N響を指揮しに日本に行ったときに、雅楽のレコードを買い求めたところ、日本人からは「どうしてそんな面白くもない音楽を買ったのか。新しい電子音楽に興味があると思ったのに。」と言われたのだそうだ。「宮廷の中でしか聞くことのできない音楽だって聞いたけれど、そうじゃないんだね?」と楽しそうに問いかける82歳の指揮者と出会えて、共演できたのは幸運なことでした。
以下、ネットで読める新聞記事に、写真を見ることができます。
http://www.maz-online.de/Lokales/Brandenburg-Havel/Musik-aus-Norwegen-und-Japan
http://www.maz-online.de/Lokales/Bildergalerien-Region/2016/3/6.-Internationale-Brandenburger-Biennale